誰がBlack Outを引き起こしたのか?の巻

 前のBlog…パスワードを忘れたまま、放置となり、改めてこちらで雑記していくつもりです。

 まぁ、不定期更新、のんびりと参りますです。よろしくお願いいたします。

 

 本年は自然災害に翻弄される日本。被害にあった皆様、そして不幸にして命を落とされえた皆様には心からお見舞いを申し上げます。

 もう自然災害はこりごりです。

 

ただ、日本は地表も地下も自然災害に見舞われやすい場所にあります。これを嘆いていも始まらない。だって、そう言う場所ほど風光明媚な景観に恵まれ、温泉や癒しの空間を提供されているんですからね。嫌なら、どこにでも亡命してください。と言う話です。だから、放射脳の方には読んで頂く必要はありません。

 

 

 そして関西でも未だライフラインの復旧が完全では無いようですし、北海道などは一時、全土停電と言う異常な状況に陥りました。そう言ったニュースの中で、時折「○○病院は診察を受けたことのある患者さんに限り」とか「○○病院では救急患者の受け入れが可能」とかと言う言葉が耳に残っています。

 通常なら、施設に破損でもなければ例え停電でも非常用の電源が作動して、たとえ手術中でも恙無く進めることができるとドラマで教わっていたのですが(汗)、現実に長時間の停電となると備蓄していた燃料も底をついてしまうというのが現実なのです。

 

 また、今回の大停電の最大の理由は「需給バランスの崩れ」です。つまり供給(発電量)に対して需要(使用量)が大幅に上回ってしまった結果です。これは東日本大震災の後でもしばしば議論に乗っていたことですし、計画停電が行われていた理由です。発電量を上回った利用量の場合、供給が追いつかずにBlack Out、全面停電に陥るのです。

 

 この事で病院では患者さんの受け入れに制限を掛けざるを得なくなり、また道民や観光客などの生活に影響が出ているのですね。そして更には現在停止中の泊原発の外部電源喪失となりました。

 「外部電源喪失」と言う言葉は放射脳放射脳を観察してきた人にも馴染みのある言葉ですが、特に放射脳の皆様にはショック症状を引き起こすマジックワードの効果があるようです。実際「泊は大丈夫か?」「一週間しかもたないらしい」とか、ニュースや各公官庁から出てきた言葉に尾ひれをつけるところか、一端、切り取った上で整形しなおしてバラマくという放射脳症状を見せ付けてくれています。

 普通に考えましょう。福島では津波もあり外部電源を受け入れる施設そのものに影響があり、電源車を使おうにもアダプターが適合しない、ケーブル長が足りないなど様々な不幸の連鎖があって最終的には建屋の破戒やメルトダウンへと繋がったのです。

 ところが泊の場合には原発施設そのものには全く地震が影響せず、先ほど書いたBlack Outによって外部電源が喪失したのですから、非常電源を使って発電ができる、つまり非常電源の燃料があれば問題がないのです。

そして更に、これはラジオ放送でも聴いたことです「泊は外部電源を必要とするのが当たり前の話」と…、こんなダウトな放送をしていたのはTBSさんです…、発電所ですから原発と言えども、外部電源が稼動に必要なのではありません。正常に稼動していれば、「非常用」電源も「外部」電源も必要ないのです。つまり「泊原発=停まり原発」だから、他の電力が必要なのですよね。

 

そして、もう一つ、では何で電力の需給バランスが崩れたのでしょうか?

下の表を見てください

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北海道電力さんのサイトから引用しましたが、「苫東厚真」つまり震度7を記録した厚真町にある発電所が、ダントツに発電(供給)を担っていることが判りますね。

そして、他の火力発電ですが

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他にもありますが、桁が違いますし、また内燃は離島専用です。他に、水力もありますが、火力に比べるまでもありません。と言う状況で苫東厚真がアウトになれば自ずと供給力自体がアウトになるのです。もちろん放射脳様が好きな「太陽光発電」「メガソーラー」は地震発生時間の深夜には、私と同様に熟睡をしていたわけですから、生産性ゼロ。何の役にも立てない状況です。

 

「Black Outを防ぐため、何か手立てがなかったのか!?」と言うツィートも見かけましたが、現実にはあります。それが泊原発です。

これも北海道電力の資料からですが、泊原発がもつ三つの発電機の最大出力がこれです。

1号機57万9千kW(1989年6月営業運転開始)

2号機57万9千kW(1991年4月営業運転開始)

3号機91万2千kW(2009年12月営業運転開始)

 

三つの合計が207万kW。苫東厚真の総計よりも大きな供給力を持っているのです。当然、稼動していれば外部電気を使う需要サイドにいる必要もない、純然たる供給者として活躍できるはずなのですね。

 そして、もう一つ。東日本大震災では私たち東京も、いや東京がお世話になった「電力融通」も対策ではあるでしょう。実際、あの時に北海道電力が泊を含む発電所を全力で稼動させて本州に電力を供給していました。しかし、問題があるのです。

 それが「北海道・本州間連携設備」です。素人が平たく書けば「津軽海峡を渡した電線」です。まぁ電力の青函トンネルですね。で、電線には送電する上限があります。それが60万kW。おおよそ泊の一号機・二号機と同程度に留まります。厚真なら2号機と同じです。実は来年2019年を目処に更に30万kWの増設が行われる予定なのですが、それでも全道を賄うほど、本州から北海道へ電力を供給できないのです。

 言い換えれば、離島が内燃発電を行っているように北海道自体が自立的な電力供給体制をもっていないといけないのですね。そして更に、東日本大震災でもBlack Outは起きませんでした。それだけの異常事態は想定しづらいことなのです。で、その異常事態に連携設備は対応しておらず、本州から送られてくる電力(直流)を北海道側で受け取り交流に変換する装置が地震直後には稼動できなかったのです。

 

で、今回のBlack Outを北海道電力のミスだ、計画・体制が悪いと叩くメディアもあります。が、皆様が既にお解かりのように、実は北海道電力は自立的な供給体制を整えてきました。が、一連の「反原発」の流れから泊原発が稼動停止に追い込まれ、その後に安全基準が改訂、そして現在、再稼動に向けて全機改修中です。

 「だったら、最初から安全に造っておけ」という無茶な理屈もあるのでしょうが、あの時期に無茶なハードルを作られ、そして調査をされ、そして改修、チェック、改修と必要な手続きを踏んでいるのです。いや、寧ろ本来なら現実に起こりえる需給バランスの崩れを見越し、供給がミニマムな状態に陥らないように1⇒3号機を順次改修するのがスジなのですが、全機一斉に停止に追い込まれていたのですから、スジの方法論は前提が崩されていたんですね。

 

と言うことで、このBlack Outは「たかが電気」と言っていた人たちが引き起こした大停電だったのですよ。良いですか?良いですよね。

 

さて、そんな「たかが電気」ですが、

・家庭生活

・交通

・信号などの道路網

・通信

・販売

・IT機器

・医療

など多様な分野で「絶対に必要」な存在なのです。

先日、インドネシアアジア大会では競技中に停電が起きましたよね。日本では考えられないことですが、なぜ考えられないのでしょう?それは、安定した電力供給を各電力会社が行っているからなんですね。

安定した電力、電源が「当たり前」に使えるのは、それは政策と現場の人たちの不断の努力の結果なんですね。一朝一夕にできるものでもありませんし、不断の努力があっても安定して入手可能な「発電材料」が必要です。その点で再生可能エネルギーというのは不適切なのは自明の理。先程も書いたように、太陽光は夜がだめ、暑いと発電効率が落ちる、台風では飛んで壊れるのです。風力発電も風がなければだめ、強すぎてもだめです。

 

「とうでんがー」と2011年に叫んでいた人たちが、今では「ほくでんがー」と言っているようです。でも、普段、その東電や北電が一生懸命に電力を作っていることを忘れているんでしょうか?それとも完全再生エネルギーで自家発電して、出先でもそこから充電したスマホやPCで活動しているから気にしないんでしょうか?あるいは馬鹿なんでしょうか?

 そんな馬鹿には「たかが電気」でも、私たちには重要な電気なんです。懸命な皆様には当たり前のことを書きます。

 

「電気は大切に。そして感謝しながら使いましょう!」